カテゴリー「本」の記事

『日本政治の第一歩』

Photo 上神 貴佳 (岡山大学教授),三浦 まり (上智大学教授)/編、有斐閣ストゥディア、2018年7月

週末は、また孫の子守でした。
下のは、歯がまだ2本しかないくせに・・・私たちが食べているものを「オレにも よこせ!」とばかりに、怪獣のような大声をあげてアピールするの。「消化不良を起こさないかな?」と心配しつつ、メロンや西瓜、桃などを薄くスライスしてあげています。
保育園で「食事への執着が強い」と言われているそうで、さもありなん coldsweats01

月曜は休養日として・・・勉強中の本に復帰。今日、学んだことは…

◎メディアの経営体制
 日本では、多くのテレビ局が新聞社と系列関係にあるが、本来、それらは独立した報道機関であり、異なる観点からの報道が期待されている。 系列関係は、日本の特徴だったのね。

◎首長の多選
 10期目の町長がいる!? 利権に結びやすいので「3期目まで」とか、限度を設けた方がいい。  自治体に限らず、団体の会長・代表もそう。死ぬまで退かない「終身会長」は、団体の不利益。「自分しかいない」とは思わずに、「ドン」が下りれば後継者が出てくる。  
PTA会長を6年もやったという話を聞いた時、「規約で、任期を2~3年にすればいいのに」と思った。負担感の大きい職務。色々な人がやることで負担も軽減するし、共通理解が広がり、新しい視点で改革もできそう。

「フランクル『夜と霧』への旅」

Photo 河原理子 著、朝日文庫、2017/4/7

『夜と霧』(原題:一心理学者の強制収容所体験)は、1946年、ウィーンで出版された。
およそ40の言語で一千万部以上出版されているが、最初に1955年にアルゼンチン(スペイン語)で、56年に日本で、そして59年にアメリカで英語版が出て世界に広がった。

ユダヤ人が多く住んでいない日本で、なぜ二番目に翻訳版が出たのか?
それは、1953年から西ドイツに留学していた霜山徳爾(最初の翻訳者)が、偶然、本屋で見つけたことに端を発する。
彼は深い感銘を受け、ウィーンにフランクルを訪ね、帰国後に付き合いのある出版社に持ち込んだのだ。

日本で発売二か月で十二版、ベストセラーになる。
ナチスの強制収容所について知らせるために、写真と解説を加えて売られたのは、他の各国版同様、国内事情によるものだ。

フランクルは、実は母国で、特にユダヤ人から非難もされた。
「親衛隊の中にも善をなした人がいたし、収容所の中で暴力をふるったユダヤ人もいた」「個人の品格による」「悪人が善人になることも可能だ」と、集団としてのナチスを弾劾しなかったからだ。
※ナチスを悪者にして終わらせるのではなく、ホロコーストは他の国でも起こりえるという警鐘でもあろう。

そういった様々な事情やフランクルの行動、彼に教えを受けた日本人、越えがたい苦しみを抱えながら、フランクルの言葉を生きる支えとする人々と彼の人生をたどり、「それでも人生にイエスと言う」思想について、詳しく書いてある。

『檻の中のライオン』

8月2日(木)

Photo_2 楾 大樹 著、かもがわ出版 (2016/6/22)

著者の講演会が話題になっているので、買ってみました。

実に分かりやすく、たとえが面白い flair
国家を「ライオン」、憲法を「檻」、様々な動物たちを「個性の異なる私たち」に例え、 国家権力を憲法でしばり、私たちの権利や自由が脅かされないように関心をもち、監視していこう、そういう内容。子どもも読めるように、ふりがな付き。

内容は、

1 ライオンを檻にいれよう
2 檻で何を守る?
3 檻をこわされないために
4 立憲と非立憲

以下、印象に残るものを

*檻にライオンを3頭入れる・・・ライオンが檻を壊さないように、檻には性格のちがう3頭のライオンを入れ、させます互いに監視させます(三権分立)
*檻は硬く作っておこう・・・ライオンの力で壊したり広げたりできないように硬い作りにする(憲法を変えにくくする)
*檻から出たライオンは取り押さえよう・・ライオンが檻を壊して抜けだしたら、別のライオン(裁判所)が取り押さえるセキュリティーシステムがある(司法権の独立)
*檻にカーテンをつけるライオン(特定秘密保護法)

『 「超」独学法 AI時代の新しい働き方へ 』

Photo 夫から回ってきたので、読んでみました。
KADOKAWA (2018/6/9)

【内容】海外の大学に留学すると分かることだが、学生は膨大な資料の読み込みを課題に出されて、日々勉強に追われている。
日本では、大学受験後、そして学校を出た後に学ばない。それは、会社が社員の実力・能力を正当に評価しないことに原因がある。
そんなことだから、世界から取り残されてしまうのだ。
経済社会の進歩についていくには、独学しかない!

「分からない言葉があったら、ネット検索しなさい!」「ホームページは自分でやる」「ブログで発信してみる」なんて、当たり前のことが書いてあって(笑)拍子抜けしましたが…
「やはり、そうか」と思う点を以下にメモしておく。

*貧しくて学校に通えず、独学で成功した偉人は大勢いる。
 例:リンカーン、ガロア、ライト兄弟・・・
*エジソンは、小学校に入学して3カ月で退学。教師ともめたって(笑)
 その後、独学で成功。彼らは、独学者だからこそ、新しい発想ができた。

*教師と学生の差は縮まっている。昔は実年齢程度だったが、今は数年前の知識ですら、古くて役に立たない。進歩の激しい分野では、2、3時間前に勉強したことを教えている場合すらある。

*『鏡の国のアリス』で、赤の女王が「あるところに留まるには、走り続けなければならない」と言う。技術進歩の加速化で、特にITによって、今の世の中は、実際にそのようになった。

*大学で学ぶことの効用は、人的交流。情報の交換は新しいビジネスを立ち上げる時に重要。…そういう観点ねsweat01

*何が重要かを示さない教師は、無能。独学では、それを見出すのが大きな問題。

*基礎から一歩一歩でなく、できるだけ早く山頂に昇る。高いところから全体を把握すれば、個々の部分がどのように関連しているか、何が重要かが分かる。

『もう一度、子供を叱れない大人たちへ』

Photo_2 実務教育出版 (2015/9/9)
保護司のイベントで、講師をしていただいた落語家さんの著書。

少年院のことがよく分かる、ガイド flair
(もとはと言えば、家庭に原因があるのに)親に見放され、少年院の法務教官(教員免許あり)の励ましで大学進学を果たした例、毎月面会にくる教師に心を打たれて更生したなど、ノンフィクションだけに説得力がある。

親や教師への苦言もしっかり書いてある。
子どもにはたっぷりの愛情と「大事にされている」という確信が不可欠だと、しみじみ思わせる一冊。

※著者は、63年、法務省・久里浜少年院長より少年院篤志面接委員の委嘱を受け、長きにわたりボランティアで全国各地の少年院、刑務所、拘置所の慰問活動を続けている。また平成27年、法務省より矯正支援官の委嘱を受ける。

『はじまりは愛着から』

Photo 福音館書店、 2017年9月

生活クラブの書籍カタログで興味を惹かれ、購入。まとめるのが面倒で、しばらく放置してあった coldsweats01

高校時代、切れ目なくカレシがいる同級生がいた。保護司をしていて、性体験も出産も早い子が身近にいる。
自分とは明らかに違う彼女らのことを明確な言葉で説明できないでいたが、少し前に「愛着障害」「安定した愛着」という言葉に納得した。

この本では、著者の長年の豊富な経験により、それがいかに大事かが言葉で具体的に示されていて、「なるほど」しきり。これで、誰かに説明できるかも wink

例えば…
母性と父性は量でなく、順序が大事。
子どもが欲しがるだけの愛情を受け取ってからでないと、躾的な育児はできない。保育園で手を焼く子は、そこ。
非行少年少女の家庭に母性性が欠落し、厳しい父親がいる事例が多い。 無差別殺人犯が厳しい母親のもとで育ったとも、よく聞く。
親の望み通りに動く「いい子」に育てるのは、子ども本位ではなく、親の自己愛が勝っているから。絶対的な親の愛情が得られず、親の評価に左右される存在という不安定さから、彼らの自己評価が低く、残虐性をもつことが多い。

あと…
夫婦間のコミュニケーション、祖父母などの親戚、親が信頼する地域の人や友人とのやり取り。それらを間近に見て、子どもは人間関係を学んでいく。不登校など人間関係の不適応は、家族のスタイルに依るところが大きい。

いじめっ子もその親も病んでいる。自尊心を失い、劣等感に苦しんでいる。依存症の人たちも、その原因は養育過程で最初に必要な愛情を必要なだけ受け取れなかったこと。

「ルポ 保育格差」

7月2日(月)

Photo_3 小林 美希 著、岩波書店 (2018/4/21)

「保活」に成功!と言っても…どこでも入れればいいというものではない。質も大事。
第1章で非常勤保育士が語る、地獄のような保育園の体験談に、ぞっとした wobbly
暴行心理的虐待(暴言・吐くまで叱る・拒絶的な対応)、ネグレクト。一斉保育で管理し、それに合わせられない子どもを責める、そんな保育園があるのだ。
しかも、それらは証拠が無く、保護者は訴えられない。
まともな園長がいても、「保護者・子どもを教育してやる」という人に変われば、地獄にもなる。熱意をもった保育士でも、逆らえない。

第2章では、規制緩和のせいで他の事業への流用が可能になった結果、株式会社が委託費の人件費率を下げるために、新人の保育士や非常勤ばかりを雇用。基準が7~8割なのに、2~3割という保育園もあると。
経費を安くあげるために、玩具や絵本購入の予算もとらず、コピー代もケチる、子どもの人数を増やすために棚も作らない(床面積を増やす)等の寒々しい実態も報告されている。---まさに、格差。

第3章では、
◎0歳児を一人預かるコストは、地価の高い都心では月に40万円かかる場合もある。0歳児は子ども3人に保育士を1人配置するからだ。これは、「育児休業給付金」3人分に当たる。1歳になるまで、保護者にこれを支給して子育てしてもらった方が経済的だ。

第4章は、学童保育の現場
劣悪な保育園で大人不信になった子達は、就学すると学校で押さえつけられ、その分、学童で暴れたりする。ここも民間委託が進み、非正規雇用化が進んで低賃金なので出入りが激しく、子ども達との信頼関係を構築しにくい状況が語られる。夏休みに弁当を持たされてこない子に自腹で食べさせる職員の話も出てくる(貧困家庭)。

※中には、保育者の人件費がトップクラスの株式会社やNPO法人もあるし、手厚い人員配置を行う認証保育所もある(実名を記載するほど、少ない?)

『友だち幻想』

6月21日(水)

Photo菅野 仁 著、筑摩書房 (2008/3/6)

2008年に社会学を専門とする著者が、人間関係で初めてつまずきを感じる多感な年頃の中・高校生に向けて書いたもの。最近話題になって売れているそうで、読んでみた。

『人生に必要な知恵はすべて幼稚園の砂場で学んだ』と同様、私が経験から身に着けたことが文字となってまとめられていた coldsweats01 人に分かりやすく説明するのに、役立つかも。

「1年生になったら、ともだち100人できるかな♬」なんていう歌は、相当無茶だと思っていたが・・・小さい子に「友達を作らなければならない」という重圧を与えるもの、という指摘は、ごもっとも!

教育大で教える著者が、特に教員に向けて言っているところは、なるべく多くの教員の卵に読んでほしい。
「皆、仲良く」は、幻想。意見が合わない、うまく付き合えない子「仲良くしろ」と強要などせず、距離を保って並存するためのスキルを身に着けさせることが、社会に出た後も有効。

学校で教員の仕事はまず、命の保障。気に入らないからといじめて、死に追いやったりダメージを与えるのは断固として阻止する。
運動会が学芸会などのイベント時に、期間限定で合わない子とも協力し合う経験は、その後の人生にも役立つ。

◎絶対受容:親友・恋人に、「自分を100パーセント、丸ごと受け入れてくれる」ことを望まないこと。それは、幻想。しっかり理解していくれる人と出会えれば、いい。

『ふたりからひとり ~ときをためる暮らし それから~』

Photo つばた 英子、 つばた しゅういち、聞き手:水野 恵美子
自然食通信社 2016/11/26

映画『人生フルーツ』(原作『ときをためる暮らし』)では、最後で夫が亡くなる(あんな最期がいいなぁ…)。その後を描いた本で、聞き書きしたもの。
これも、地域の男女平等センターで借りました。
※忘れないうちに、メモしておきます。

映画では、自給自足的な日々の生活を大事にする暮らしや、「誰かへの贈り物」は買ったものではなく「手作り」したもの、お互いを尊重し(特に、夫が妻や子どもにそうであることが特筆すべきか)得意なことを無理なくやって補う合う仲の良い夫婦がステキだと感じましたが、
「月に一度は名古屋に出て肉や魚、嗜好品を買って宅配してもらうのは、リッチだ。お金があってこその生活だ」という友人の感想も、もっともだと思いました。

本書では、夫が現役時代に「仕事に行き詰まると出社しなかった(能力が優れていたから、それが許された)ことや、貯金0でもヨットにお金をつぎ込んていたことも知り、いい人生だったんでしょうねぇ。

◎ひっかかる部分が幾つかあって、「社会のことに興味がなくて」生きてきたとか、妻が共稼ぎの娘に「夫に食事を作ってもらって甘えてはいけない、それはあなたの役割だ」と諭したり。夫に寄り添って生きる女性に、私はあまり共感しないかな。

『キュロテー世界の偉大な15人の女性たちー』

Photo DU BOOKS (2017/10/6)
ペネロープ・バジュー (著)、関澄かおる (翻訳)

地域の男女平等センターで借りて読んだ。
予想をはるかに超えて、素晴らしかった!

タイトルから「偉人伝か?」「また欧米の人ばかり?」と思ったが、アフリカの人も中国人もいる。
「何者でもない立場から這い上がって思いを成し遂げていく女性たちを描いた」もので、あけすけで痛快な筋運び、ユーモアも皮肉もたっぷり。
イラストも鮮やかでカッコイイ!!

ここでは、彼女たちの人生を‥例えば下記のようにまとめている。
*ジョセフィン・ベイカーは「無視無欲で勇敢に行動する女性だった」
*トーベ・ヤンソンは「好きなことや楽しいことって ごまかせない」「無理強いされたことは、自分にも周りの人たちにも喜びをもたらさない」
*武則天は「政争を除いておおむね平和であり、様々な分野(芸術・社会制度改革)で、中国史上最も進んでいた時代」 日本人がいないのは残念だが…。

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