カテゴリー「本」の記事

『酔うと化け物になる父がつらい』

男女平等センターの新刊コーナーで見つけて、借りました。
菊池 真理子 著、秋田書店 (2017/9/15)

タイトルに怖気付きましたが、絵がホンワカしているので最後まで読めました。
実録です。ネグレクトの家庭、アルコール依存症の父と何かの宗教信者の母。作者が中学生の時に母は自殺してしまい、姉妹で父親の面倒を見ざるを得なくなってしまう。

大人になっても、姉妹は家を出ず、父親の世話をし続ける。これは、共依存ですかね…。付き合う男は、デートDV。

週末ごとに来ては麻雀と酒を飲む「仲間」は、母の死後も決して姉妹を救うことは無く、かえって責める。
周囲の大人の無慈悲に絶望的になりました(泣)
※少しホッとするのは、父の死を看取って、心の整理ができていると思われること(父の死で、地獄から抜けられたとも言える)。

◎この作品の出版で、多くの人に「こういう家庭があることを知ってもらえる」、同様の家庭で育った読者が「自分の成育歴を客観視できる」
そういった効果があります。

地域の大人がまず気付いて、子どもをケアしていかなければ。そう思いました。 

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『情報生産者になる』

5月22日(水)

Photo_42 上野千鶴 著、筑摩書房 (2018/9/6)

 地域の男女平等センターの「新刊コーナー」で見つけて、借りました。
 目次に「研究計画書を書く」「論文を書く」などとあり、私にはお門違いか?とも思いましたが、何かしら得られるかもと(^^;

 

はい、その通りでした!
読みやすいし、特に下記のことについて「なるほど」で、今後の活動に活かせそうだと思いました。
*インタビューの方法 *対象者のサンプリング
*調査結果の宛先
*時間資源は希少:TEDの持ち時間だって、15分。45分でも結構な情報量が話せる
*質疑応答の用例

こういう指導を受けていた「上野ゼミ」の学生さん達が羨ましいけれど…肝の据わった学生じゃないと、怖くて避けるかも?

『子どもの脳を傷つける親たち』

友田 明美 著、NHK出版 (2017/8/8)
※ブログに写真が挿入できないので(ココログの障害だと思う)、リンクを付けておきます。

著者は、子どもの発達に関する臨床研究を30年近くつづけてきた小児精神科医。
新聞やNHKの番組で知り、地域の男女平等センターで借りて読んだ。

◎身体・精神的・性的虐待や面前での夫婦喧嘩等の「マルトリートメント(不適切な養育)」が、子どもの脳を「物理的」に傷つけ、学習欲の低下やうつ、統合失調症などの病を引き起こすことが明らかになった。添付された何枚もの脳の写真が、その悲惨な研究成果を証明している。

◎パニックを起こしたり、衝動性が高く、キレやすくて乱暴だったり非行に走る子の背景に「そういうことがあるのか」と、心当たりがあったりする。

◎愛着形成の重要性を説きつつ、予防や傷ついた脳を回復させる方法、脳が傷ついたまま親になっている場合の治療など、具体的な対策を紹介する。ケーススタディが豊富で、多くの人の参考になるだろう。

◎愛着障害:親に優しくされた経験が無く育つと、世話をしてくれる相手に警戒心を抱き、甘えたくても素直に表現できない。逆に、特定の相手に愛着を示す能力が低く、誰にでも過剰な愛情を求めるケースも、これだと。保護司や「子ども食堂」など、子どもと接する中で、こういう子に出会っているので、大変参考になった。

 

『お母さん!学校では防犯もSEXも避妊も教えてくれませんよ!』

3月12日(火)

Photo_5 地域の男女センターの新刊本コーナーで発見。
やたらと明るい表紙に惹かれて中をパラっと見たら、 「性教育は3~10歳で行うべし!」と。
5歳の孫の顔が目に浮かび、何か得るものがあるかと思い、借りてみました。

のじま なみ 著、おぐら なおみ (イラスト) 辰巳出版(2018/12/18 )

著者は、元泌尿器科看護師の性教育アドバイザー。
子どもを性犯罪の被害者にも加害者にもさせないための「家庭でできる性教育」を手ほどき。全国で講演会を開催している人気講師とのこと。

「性教育はメリットしかない!」「こんな時こそ!性教育」 具体的な実践例が書いてあって、カラッと明るい雰囲気で子どもへの愛情を示せる点がステキだと思います。
小さい子をもつ保護者の方におススメできる内容です!

かつて、子育てのために意識的に性教育について学びましたが、恥ずかしがって有耶無耶にしている家庭が多かった。教育指導要領に縛られて、驚くほど必要なことを教えない学校に頼れない日本では、保護者が「正しい知識は、子どもを守る」ことを理解する必要があるのです。

『裸足で逃げる』

Photo週末に孫の子守が無かったので、読書

この本、話題になって、ネットで記事を読んだの。沖縄のDVと性暴力が思っていたより酷いのに、驚いた。

本を読むのは気が重くて、地域の男女共同参画センターの新刊コーナーで見つけても…しばらく手が出なかった。
が、返却期限票が未記入で、誰も借りていない!! それは、マズイ(利用が無いと予算が減る)。そんな理由で借りてきた

著者は沖縄出身。
一度そうした泥沼のような環境に疲れて「逃げ出す」が、仕事を得て帰って来る。
家族や恋人・見知らぬ男たちの暴力から生き延びるために逃げ出し、自分の居場所をつくってきた女性6人の生活を5年に渡って聞き書きし、彼女らに寄り添い、外部にそれを知らせる役目を負う。
※この本の売り上げも「強姦救援センター・沖縄REIKO」に寄付される。

彼女らは、父親・兄の暴力や母親のネグレクトに晒されて、中学卒業で家から逃げ出し、性産業で働き、妊娠する。子どもを産むも男は逃げ、シングルマザーとなる。行政の支援と繋がることは無く、自力で生きて子育てをする。
そんな中で、障がい児を産んだことをきっかけに、お金を貯めて勉強し、長い時間をかけて看護師になった人もいる。暴力を振るわない男性と再婚した人もいる。

著者は言う。
「沖縄は貧困社会であること(全国の2倍)、そして貧困は、まぎれもなく暴力の問題」「暴力は、子どもや女性に向かう」「暴力や貧困の吹き荒れる家を、自分の意志で逃げたので、逃げた先で起こった事柄も、自分のせいだと思っている」

「学校にいられない子ども、早くから不登校になる子どもを自己責任・家族責任と切り捨てる。子どもたちがいられない学校をつくっているのは誰なのか?」「根幹にある、貧困が暴力を発動させるという認識に立ち、被害者を保護できる場所の拡充、加害者の再教育に、社会は取り組まないといけないと思う」と

『海街ダイアリー』第9巻

Photo 『海街ダイアリー』、完結です。
これも、知らぬ間に出ていて、慌てて買いました

四女すずと異母姉達との衝撃的な出会いで始まる物語は、彼女を引き取った姉たちの住む鎌倉での暮らしを描き、周囲の人たちの生き死にも含めて、内容の深いものでした

中学1年の夏、蝉時雨のやむ頃から始まった家族の物語は、高校入学のために、彼女が鎌倉を離れるところで、完結。
姉達の行く末も希望がもてるものでホッとしました

最後の番外編「通り雨のあとに」も、良かった
すず、そして一時は家族だった弟・和樹(義母の連れ子)の「その後」。3度目の結婚をした義母(和樹の母)は、またもや子ども達を親戚宅に預けて…何と、行方知れずに。
さもありなん、繰り返すんですよねぇ。

『ルポ 児童相談所 』

10月20日(土)

Photo_3 大久保真紀 著、朝日新聞出版 (2018/5/11)

【内容】朝日新聞デジタル連載「児相の現場から」を書籍化。
朝日新聞取材班が西日本のある児童相談所で活動する児童福祉司たちに1カ月にわたり密着し、 虐待対応の最前線を追った。
親から赤ちゃんを一時保護する様子など、「虐待保護」の現場を描く。

今日が返却期限日なので、慌ててメモ

*子どもを保護しに行く児相の職員が親から包丁を向けられたり、大声でいつまでも何度も怒鳴りつけられたりして、それも夜や休日の緊急出勤がザラで、労働条件最悪だわ。

*虐待が子どもの人生に与える影響は大きく、少年院在院者の7割以上が被虐待児。凶悪事件の加害者が虐待を受けた経験があることも多い。
*心を病む人もいる。精神疾患・自殺・学力低下などの結果、生涯収入の減収や生活保護の受給・医療費なども発生。社会的損失は年間1兆5千億円にのぼると試算されている。
*日本が児童相談所や児童養護施設などにかけている費用は、年に役1千億円。ずば抜けて低い。

*児相が対応した虐待相談件数は10年間で3.3倍に増えたが、児童福祉司の配置は1.4倍にしかなっていない。
*一時保護しなかったために子どもが虐待死するケースを防ぐために、職権による一時保護を積極的に進めることが増えている。
*被虐待児は自己肯定感や自己評価が低いのが特徴。愛着障害も、問題。

*あざができるほど顔面を殴ることが続いたケースでは、父親は「ちょっと元気で困っている。(殴るのは)しつけだから」と。

*児童養護施設で起きる子どもの間での性加害・性被害は、施設内で連鎖することも多い。加害者の殆どは、被害者だったと言われる。自分より弱い子どもを支配する行動。

*予防には、施設の小規模化や里親委託を進め、大人の目を増やすことが有効。加害者の性被害性に対応していかないと、連鎖する。

*自治体の担当部署との連携が欠かせないが、担当者は2~3年で異動することが多く、常に研修をする必要がある。

*ケースの危険度は上がったり下がったりするので、定期的なリスク管理が必要。

◎福岡市の児相取材
弁護士を常勤にして成功。保護者との激しい遣り取りの際に、職員に不安やためらいが起きる。そういう時に法的に判断が正しいかどうかの助言・判断が有効。勤務することで、日ごろからケースを把握できるし、常勤であることですぐに職員が相談できる。法律を冷静に説明し、親権者や保護者に振り回されなくなった。

児童家庭支援センターが5~8時の夜間・土日祝日の受付をするため、児相での超勤がなくなって継続勤務が増えた。対応の速度も上がる。「泣き声通告」確認の仕事は、NPO法人に委託している

*子どもの最善の利益・権利保障をベースに。通学や地域社会とのつながりを断ち切らないようにしていけたらいい。

◎高知県知事の取材
*警察の職員にも常駐してもらい、「違う視点で意見をもらって有効」という意見もある。
*子ども食堂を増やしたい。食事ができて食育にもなる場所。話を聞いてもらったり勉強も教えてもらったりで、つながりができる。見守りの場でもある。公的機関の対応だけだと不十分。民生委員・児童委員に併せて広がっていけば、有意義。

*里親委託で、乳幼児の発育が著しく違ってくる。

絵本『みえるとか みえないとか』

Photoヨシタケ シンスケ・伊藤 亜紗、アリス館 (2018/7/12)

週刊誌の書評を読んで、買いました。
素晴らしい内容!もちろん、絵もステキ

伊藤亜紗著『目の見えない人は世界をどう見ているのか』の絵本版をヨシタケさんが描いた。伊藤さんに相談しながら。

【内容】 宇宙飛行士「ぼく」が三つ目をもった生き物が住む星に降り立つ。目が二つしか無い「ぼく」を
「うしろがみえないの?」「かわいそう」「せなかのはなしはしないであげよう」と気遣い、「ちゃんとあるいてる!」と驚く
この星には、後ろの目が見えないひともいて、話が合う。そして、全部の目が見えない人もいる。
他に、脚の長いひとの星、空を飛べるひとの星、身体が柔らかいひとの星、口が長いひとの星も紹介されて…
「どんなひととでも、だよねー!っていっしょに いえる」ことがあり、「おなじところを さがしながら、ちがうところを おたがいに おもしろがれば いいんだね」

『私たちの新フェミニズム』

Photo 東京新聞の望月衣塑子さんと様々な分野の4人の女性たちとの対談。梨の木舎 (2018/9/10)

中味が濃くて、付箋だらけ。
とてもここにメモしきれず

【内容】

◎本名を出し素顔を出して性暴力を訴えた伊藤詩織さんと
ーー権力と一体化した日本のメディア、加害者を擁護し被害者をバッシングする日本の社会について、性暴力をなくすために何をすべきかを議論。

◎上智大学政治学教授の三浦まりさんと
ーー日本がしてこなかった最たるものは、ジェンダー平等に手をつけなかったことで、ジェンダーギャップ指数114位を返上するためにまず女性議員を増やそうと、そのための具体策を提案。

◎授業で「慰安婦」問題を教え続ける、大阪の中学校教師平井美津子さんと
ーーそれは過去のことではなく、女性差別につながる現在の人権問題であり、沖縄など基地の街の女性への暴力などまさに同じ根っこを持つと語り合う。

◎新外交イニシアティブ(ND)代表で弁護士の猿田佐世さんと
ーー自発的対米従属の現状を変えるためにどうするかを議論する。日本のリベラル陣営が、日本のオールタナティブを発信することが必要だ!
※オールタナティブ:既存のものに代わるもの、慣習にとらわれないもの、代案。

『AI VS.教科書が読めない子どもたち』

9月21日(金)

Ai 書評で見て、関心があった本。地域の男女共同参画センターで借りて読んだ。

新井紀子著、東洋経済新報社、2018年2月15日発行

読み応えたっぷり。メモ書きするのも、時間がかかるわ

◎今の数学では、AI (コンピューター)は、計算機。基本的には四則演算しかできない。意味を理解できるのではなく、「あたかも意味を理解しているようなふり」をしている。 万個教えられてようやく一を学ぶ、応用が利かない、柔軟性がないことが弱点。決められた枠組みの計算処理しかできない。

◎ディープラーニングのような統計的なシステムでは、データに基づき過去のデータを分析して判断しているに過ぎない。過去の判断を踏襲するだけ。社会が歪んでいれば、その歪みを増幅してしまう(数学者に女性が少なければ、女性高校生に「数学者」という選択肢を推薦しない)

◎シンギュラリティ(人間の力を借りずに、自律的に、自分自身よりも能力の高いAIを作り出すことができるようになった地点)は、今の数学では不可能。

◎ホワイトカラーが担っている仕事の多くは、AIが肩代わりできる社会の到来を前に、AIが苦手とすることをやればいい。それは、柔軟に、人間らしく、意味を考えること。

◎AI開発の際に、協力してくれる中高校で25,000人を調査した結果、生徒の読解力が危機的なことが判明した。 授業も問題文も理解できない、普通免許や調理師などの国家試験が受からない、就職しても、安全マニュアルや仕様書が読めないケースが多くなっている。 今や、格差は高卒・大卒か、名のある大学を出たかではなく、教科書を読めるかどうか。 中学校を卒業するまでに、教科書を読めるようにすることが、緊急課題。読解能力と意欲さえあれば、大抵のことは自分で勉強できる。

◎大学受験をする子の上位20%の得点をとるところまで、ロボットは発達していきている。 超有名私立中高一貫校では、12歳の段階で読解能力のある生徒を入試で選んでいる。この子たちの指導は楽。教科書や問題集を「読めばわかる」から。

*中学校を卒業する段階で、約3割が表層的な読解もできない。半数以上がサイコロ並の正解率。
*学力中位の高校でも、半数以上が内容理解を要する読解はできない
*読解能力値は中学の間は向上するが、高校では向上しない
*通塾の有無と読書の好き嫌いは、読解能力値と無関係
*読解力をつけないまま、ドリルと暗記だけで偏差値50を超える大学に入学できる

◎著者は、この本の印税を原資として、中学生全員が教科書を読めるようにするための計画がある。

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