カテゴリー「本」の記事

『友だち幻想』

6月21日(水)

Photo菅野 仁 著、筑摩書房 (2008/3/6)

2008年に社会学を専門とする著者が、人間関係で初めてつまずきを感じる多感な年頃の中・高校生に向けて書いたもの。最近話題になって売れているそうで、読んでみた。

『人生に必要な知恵はすべて幼稚園の砂場で学んだ』と同様、私が経験から身に着けたことが文字となってまとめられていた coldsweats01 人に分かりやすく説明するのに、役立つかも。

「1年生になったら、ともだち100人できるかな♬」なんていう歌は、相当無茶だと思っていたが・・・小さい子に「友達を作らなければならない」という重圧を与えるもの、という指摘は、ごもっとも!

教育大で教える著者が、特に教員に向けて言っているところは、なるべく多くの教員の卵に読んでほしい。
「皆、仲良く」は、幻想。意見が合わない、うまく付き合えない子「仲良くしろ」と強要などせず、距離を保って並存するためのスキルを身に着けさせることが、社会に出た後も有効。

学校で教員の仕事はまず、命の保障。気に入らないからといじめて、死に追いやったりダメージを与えるのは断固として阻止する。
運動会が学芸会などのイベント時に、期間限定で合わない子とも協力し合う経験は、その後の人生にも役立つ。

◎絶対受容:親友・恋人に、「自分を100パーセント、丸ごと受け入れてくれる」ことを望まないこと。それは、幻想。しっかり理解していくれる人と出会えれば、いい。

『ふたりからひとり ~ときをためる暮らし それから~』

Photo つばた 英子、 つばた しゅういち、聞き手:水野 恵美子
自然食通信社 2016/11/26

映画『人生フルーツ』(原作『ときをためる暮らし』)では、最後で夫が亡くなる(あんな最期がいいなぁ…)。その後を描いた本で、聞き書きしたもの。
これも、地域の男女平等センターで借りました。
※忘れないうちに、メモしておきます。

映画では、自給自足的な日々の生活を大事にする暮らしや、「誰かへの贈り物」は買ったものではなく「手作り」したもの、お互いを尊重し(特に、夫が妻や子どもにそうであることが特筆すべきか)得意なことを無理なくやって補う合う仲の良い夫婦がステキだと感じましたが、
「月に一度は名古屋に出て肉や魚、嗜好品を買って宅配してもらうのは、リッチだ。お金があってこその生活だ」という友人の感想も、もっともだと思いました。

本書では、夫が現役時代に「仕事に行き詰まると出社しなかった(能力が優れていたから、それが許された)ことや、貯金0でもヨットにお金をつぎ込んていたことも知り、いい人生だったんでしょうねぇ。

◎ひっかかる部分が幾つかあって、「社会のことに興味がなくて」生きてきたとか、妻が共稼ぎの娘に「夫に食事を作ってもらって甘えてはいけない、それはあなたの役割だ」と諭したり。夫に寄り添って生きる女性に、私はあまり共感しないかな。

『キュロテー世界の偉大な15人の女性たちー』

Photo DU BOOKS (2017/10/6)
ペネロープ・バジュー (著)、関澄かおる (翻訳)

地域の男女平等センターで借りて読んだ。
予想をはるかに超えて、素晴らしかった!

タイトルから「偉人伝か?」「また欧米の人ばかり?」と思ったが、アフリカの人も中国人もいる。
「何者でもない立場から這い上がって思いを成し遂げていく女性たちを描いた」もので、あけすけで痛快な筋運び、ユーモアも皮肉もたっぷり。
イラストも鮮やかでカッコイイ!!

ここでは、彼女たちの人生を‥例えば下記のようにまとめている。
*ジョセフィン・ベイカーは「無視無欲で勇敢に行動する女性だった」
*トーベ・ヤンソンは「好きなことや楽しいことって ごまかせない」「無理強いされたことは、自分にも周りの人たちにも喜びをもたらさない」
*武則天は「政争を除いておおむね平和であり、様々な分野(芸術・社会制度改革)で、中国史上最も進んでいた時代」 日本人がいないのは残念だが…。

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今どきの教科書は

Photo 青春出版社 (2018/1/20)

学習支援教室用に買いました。
昭和に教育を受けた私達にとっては、ためになりました。

5教科に渡って、色々書いてあります。
学校の現場から離れて時間の経つ講師にも回そうかと思っています。

「おらおらでひとりいぐも」

Photo_3 河出書房新社 (2017/11/16)

地域の男女平等センターの「新刊コーナー」で目にして、借りてきました。話題になってから結構経つので、今頃…感ががありますが、購入したばかりのようです(私が最初の読者!)

最初は、参りました。私は東北の出身なので東北弁は気になりませんが…夫に先立たれ、子ども達は家を出て、昼日中にネズミが台所でガサゴソ動いているのが「一人で寂しいよりいい」って…coldsweats02

「桃子さんは」と「さん付け」が頻発するのも、違和感あり。
更に、全ページの左端にタイトルが印刷されていて、ウルサイ。

が、2章からはグイグイ引き込まれ、1日で読了。 支配的な母親から逃れて上京してきたこと、子ども達への接し方がどうしてもその母親と同じになってしまい、自分も逃げられてしまった(そのまま、疎遠)こと。

朴訥で美男の夫が大好きだったが、「それでも」夫の死に「一点の喜びがあった。おらは一人で生きでみたがったのす」と。 一人で生きた経験がないなら、それも然り。

孫娘が一人で訪ねてきて希望のみえる終わり方も、良かった confident

『さよなら、田中さん』

Photo 鈴木 るりか 著、小学館 (2017/10/16)

これも、地域の男女平等センターで借りて。
「新着コーナー」で、この強烈な表紙に惹かれて手に取り(西原理恵子の絵はインパクト大!) 読んでみたら面白かったので、作者を確認したら、小学生作家として話題になった方。これは、13歳で書き下ろしたものsign01

タイトルにある「田中さん」が誰なのか、五つある短編の最後にやっと明らかになる。これも、作者の「手」なのね。

父親の話がタブーな母子家庭に暮らす小6女子が主人公。貧困だが、それを恥じたり恨んだりしないのは、母親の価値観に依る。死を覚悟した経験のある母親が、様々な出来事に際してとる行動や引用する格言が、娘に伝わるから。 この絵のように、ガサツでダイナミック(父親も兼ねているからか)、彼女のエピソードがユーモラスに描かれている。

が、最後のエピソードがあまりに悲劇的で weep
主人公のクラスメートの男子が語り手。自分の意思と無関係に小学⇒中学受験をさせられて、失敗すると母親に罵倒しまくられる。「見えないところに行ってほしい」と、山梨の全寮制に入れられてしまうのだ!何という毒親。

『弟の夫』1~4巻

Photo 地域の男女平等センターで借りて読んだ。
今年3月にNHKでドラマ化された番組の原作。
田上 源五郎 著、2015年5月~2017年7月、双葉社。作者は、当事者。

【内容】
主人公は、弥一。双子の弟がいて、カナダで結婚していた。
その夫、マイクが、ある日突然、訪ねて来る。弟は既に亡い。
「パパに双子の弟がいたの?」「男同士で結婚って出来るの?」。
小学生の娘、夏菜は突如現れたカナダ人の優しい「叔父さん」に興味津々。すっかり懐いて、家に居候することになる。
マイクの来日から3週間後の離日までを描く作品が1~4巻にまとめられている。

弥一は、かつて、弟にカミングアウトされて以来、距離を置いてしまっていて、弟の存在を娘にも伝えていなかった。そんな訳で、義弟とのギクシャクとした暮らしに戸惑う。一方、マイクは、亡夫に似ている弥一を見て、切なくなる。

夏菜は叔父さんを親戚として受け入れ、友人にも紹介したいと、家に誘う。が、その母親にそれを咎められたりと、周囲からの偏見・差別が描かれて、悲しくなる。

そうして、巻が進むうちに、弥一親子とマイクの絆が深まり、弥一が「ゲイだった弟」とマイクを受け入れていく様子が描かれていく。

最終巻(第4巻)では、夏菜の担任が弥一を学校に呼び出して、「学校でその話をすると、いじめられる」などと言う angry
それに対して、弥一は「あの子が叔父の話をするのを止める理由はない」「もしいじめられたら、いじめる子を注意してほしい」と、キッパリ shine

マイクに見せてもらった弟とマイクの結婚式の写真には、マイクの家族に囲まれた弟が写っていた。それに対して自分は…そう思わせるエピソードだ。
そして、マイクが明かす、来日の理由。
一緒に両親のお墓参りをして、弟の夫を紹介する弥一。

◎偏見に怒り、亡夫への愛情が切なくて、家族愛にあふれた内容に感動した。ゲイカルチャーのコラムも、理解に役立つ。

※ただ…大人の男性が全て筋骨隆々で首が短い ラガーマン風に描かれているのには、正直、違和感がある。

「九十歳。何がめでたい」

90 一昨年、話題になった本。 地域の男女共同参画センターに置いてあったので、「おやおや!」と思い、借りてきた。
最近購入したらしく、私が二人目(もっと早く買って~!)。

いつもの愛子節が、気持ちいい shine 字も大きく、どんどん読み進められる。

一つ、心に残ったことをメモしておく。
◎大阪寝屋川市で中学1年生の少年少女が理不尽にも殺害された事件について、「深夜になって友達に泊めてほしいとラインしたのを断られた」、それを「心配する気持ちがなかったらしい」、「心配の量と質が半減した」、「それは進歩か?」と。
大人なら、絶対心配する。友達は親に相談できなかったのか…。

夫が義姉に勧められて、先週、中古でこの本を購入していたことが分かった。なーんだ coldsweats01

「密やかな結晶」

Photo_2 原作:小川洋子「密やかな結晶」(講談社文庫)

演劇公演のチケットを買って、それから原作を読んでいた。
情景描写が多くて…私にとっては とても読みにくく、大分時間がかかったが、読了。

鳥だの、薔薇だの、宝石だのと、一つひとつが存在と記憶を消されていく島で、記憶が消えない住民が秘密警察に連行されていく(多分、殺されている)。
住民は抵抗せず、諾々とそれを受け入れていく。知り合いを隠し部屋に匿うとか…まるでナチスのユダヤ人狩りを思い起こさせる bearing
そのうち、カレンダーが消されて、その時冬だったため、季節は冬から動かなくなった despair
寒い中、食料を探して回ったり行列したりは、ソ連邦崩壊前の東欧の独裁国家を彷彿とさせる。
そして最後には、人間の身体も消されて声だけになる!という恐ろしい話 shock
だが、秘密警察も声だけになって、隠れていた者は自由になるという結末。

今日は結婚記念日で、予約購入した 大好きなカニ脚が届いた lovely
ビーフシチューを作りながら、書いている。

「君たちはどう生きるか」

12月2日(土)

Photo 話題になっているので、読んでみた。

内容はともかく、「男らしく」というのが頻出して、辟易。
友達を助けにいくのも、ナポレオンの戦いも「男らしい」と表現されている despair
いくら時代が前だからと言って…これは、若い人に回せない。
「男らしく生きろ」だからね。

この著者は、果敢な女性をどう表現するのだろうか?

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