カテゴリー「本」の記事

『わたしが子どもをもたない理由』

8月17日(土)

続けて、家族の話
少し前、インタビュー記事で、女優の山口智子が「子どもをつくらない人生を選択した。夫婦2人の生活はほんとうに幸せで、一片の悔いもない」と発言したことがニュースになり、ネット上で賛否両論の意見が飛びかった。
「勇気ある行動」だの「夫の理解があってこそ」等の称賛も含めて、他人がとやかく言うことではない。女性にとって「子どもをつくる・つくらない」が社会からの無言の圧力になっている現状をきっかけに、この本が出版されたと。

著者も酒井順子さんと同様、子どもをもたない選択をした。「母のようになりたくない」と思ったのが大きな理由。
親子関係に苦しんだ(親から虐待を受けた、あるいは親からの過干渉に苦しんだ)人は、子どもをもつことに躊躇しがち。自分もそうなるのでは?と怖れるからだ。※筆者の場合は、過干渉。
◎「女性の自己表現の場は、結婚によって減ることは少なくなったが、出産によって相変わらず奪われている」
◎「最近問題なのは介護である。子どもを産み、仕事もし、税金を納め、介護もしてとすべてを押し付けられている女性はまわりにも数多い」
◎高倉健さん、岡本太郎、高峰秀子・松山善三夫妻は、死後のことを考えて気心の知れた人を養女に迎えた。そうした選択も考えている。
※「終章」には、子どもをもたなかった人々の声が紹介してある。「子どもはいても良かったが、できなかった。不妊治療はしなかった」という人も含まれている。その中で、
◎「子どもがいるから忙しい」「子どもがいなければ自由に好きなことができるのに」という専業主婦の母の口癖から、子育てのマイナス面が刷り込まれたというものがある。
子どもにしてみれば「勝手に産んでおいて、今更」な愚痴だ。 

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『家族終了』

8月15日(木)

地域の男女平等センターで借りて読んだ
父母と兄が無くなり、一人残された筆者。兄には妻と娘がいるが、筆者の家族ではない。
それが、タイトルの意味。
日本の家族観の変遷を辿りながら、現在を考察し、未来を予測する内容。自身の家族・同居人との関係も引き合いに出している点が分かりやすい。

◎日本では、男性が結婚することを「身を固める」と言い、親は娘が結婚すると「片付いた」と言っていた。「家を存続させる」ためにやっきになり、子どもが生まれなかったら養子をもらっていた。筆者の親も、そう。

◎「パパ、愛してる」という息子に「ママっ子男子」、祖母の誕生日にお姫様抱っこした画像をSNS上にアップする青年。家族が仲良しなのはいいが…恋愛から遠くなる?

◎「向田邦子的時代の専業主婦」は「夫の帰りやその同僚の来訪を待ち受け、どんな料理も供するファミレス店長のような覚悟を持っていた」

◎高齢者の自殺が多い地域で「一人暮らしよりも家族に住むお年寄りの方が、自殺率が高い」「他人に迷惑をかけたくない」という感覚を強く持っているから。一人暮らしであれば、「老化した自分がどう見られているか」を気にしないで済む。

◎酒場の「ママ」や小料理屋の女将(お母さん)、占い師の「母」は疑似家族なので「実の母親のように人間性を否定するようなことは言わない」ため、「人々がお金を払って」通うのも無理がない。

◎事実婚:子どもを持たない中年以上に多い。筆者もそう。相続や戸籍などの面倒がないし、「嫁」をしなくていいというメリットがある。※父子帰省が記事になるような国だからね。このお盆休み中、区内に住む長男が息子二人を連れて通って来ている(父の車送迎付き)。妻が仕事なので、手が多い場所で食事・昼寝ができるのは、やはり便利だろう。

◎LGBTを知ることにより、相手と性的な関係を持たなくても、性的指向が違っていても、共に暮らすのが「家族」だと思うようになった。セックスレス夫婦も結構いることだし。※レズビアンカップルがホモセクシャル男性の精子提供で子をもち、連携している例もある。

◎「人を結びつけるものは、生殖だけではない」

◎家族は「いて当たり前」ではない。継続にはたゆまぬ努力が必要だし、子どもがいなければ、そのうち消滅する。

◎「家族の多様化が進み、法律婚をした男女のつがいも、多々ある家族のパターンの中の一つになる」方が、「多くの人にとって生きやすい世なのではないか」

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『大量廃棄社会』

仲村和代, 藤田さつき 著、光文社 (2019/4/16)

国谷裕子さんと「SDGsプロジェクト」に取り組む朝日新聞の記者2人が、食品と衣料品の「大量廃棄」の現場とそれを減らす努力をしている店などを取材し、私たちに何ができるかを提示したもの。

◆アパレル業界
日本で供給されている衣料品の4枚に1枚は、新品のまま捨てられている!
有名ブランドでは、ブランド価値を守るために廃棄する。製造原価の割合が低いので、廃棄のロスが問題にならないのだ。
アパレル業界の問題は、 オーバーストア(過剰店舗)とオーバーサプライ(過剰供給)。シーズン中に値を下げて販売されることが常態となり、原価率の低下=品質の低下につながっている。メーカーから縫製業者に支払われる下請けの工賃が安くたたかれ、バングラデシュの縫子の時給は数十円。ファストファッション業界は、構造的に女性の低賃金労働で成り立っている。
リユース・リサイクルできるものもあるが…使える(売れる)ものと使えない(売れない)ものがあり、使えない(売れない)ものは、廃棄される。廃棄を前提にして「安く、大量に作るシステム」を見直すしかない。

◆食品業界
食品ロス(まだ食べられるのに捨てられている食料)が問題になっている昨今、今年も、節分で売り切れなかった大量の恵方巻が廃棄される場面がニュースになった。日本で1年間に発生する食品ロスは約646万トン、1人あたり、茶碗1敗のご飯を毎日捨てていることになる。
恵方巻きという「作られた伝統」は「クリスマスケーキ」同様、販売店・店員にノルマを課し、大量の食品廃棄を生み出している。大量廃棄を前提に大量に作る大きな要因は、「販売機会ロス」 。日々のオニギリ・サンドイッチ・弁当といった食品も同様で、販売機会を失うこと。
コンビニで言えば本部の利益が増す「コンビニ会計」、食品業界全体で言えば、必要以上に厳格な販売期限の見直しを促したい。
定期購入を主軸にして「働き方改革」をしたパン屋、規格外の食材を活かすフレンチレストランを取材したり、2011年に松本市から始まった3010(さんまるいちまる)運動(宴会の開始30分間と終わり30分間は席について料理を食べる)など、廃棄を減らすヒントも散りばめられている。
※フランスでは、2016年に世界初の「食品廃棄禁止法」が大型スーパーに対して施行され、売れ残った食品の廃棄は禁止されているし、2018年に全店で食べ残しの持ち帰りが義務化された。このような英断を手本にできる。
食品ロスの4割以上が家庭から出されていることも、忘れてはいけない。フードドライブ・フードバンクへの協力など、個人でできることも

◎私が仲間とやっている「子ども食堂」では、フードドライブを利用して、しばしば、食料品のご寄付をいただいている。全国的なネットワークを通じて「見本品だった」「型番が古い」「欠品がある」などで廃棄されていた炊飯器や食器などの寄付もある。これまで有料で捨てていたものが必要とされる場所で活かされる。3,700か所を超えた「子ども食堂」が廃棄を減らす一助にもなるのだ。

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「バレリーナ 踊り続ける理由」

河出書房新社 (2019/7/5)
読んでいる途中で、他のことに時間をとられ…忘れていたのでした。
昨日、読みかけだったことを思い出し、読了!

吉田さんは、長らく英国ロイヤルバレエ団のプリンシパルをされた方で、2020年に新国立劇場バレエ団の芸術監督に就任することが決まっている。
今年、引退公演も予定されていて、文庫化に伴い、それらの報告と阿川佐和子との対談を特別収録。
地道に努力を重ねてこられた半生を品よくまとめてあり、内面の成長や日々の生活も大事にしている彼女の人柄が伝わってくる。

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『PTAのトリセツ』

7月19日(金)

今度は6歳孫が熱を出して、我が家に。外せない保護司の活動があって、今日も夫と交代で看ていました。

さて、なり手が無くて「要らないのでは?」と言う保護者もいるPTA。
かつて、会長をしていた私ですが…
事業をやることが義務的になると「無い時間を絞り出してまで、やることか?」という部分は、確かにありました。
一方で、「給食試食会」や学年ごとに先生方との懇談、本部で取り組んだイベントなど、保護者と子ども双方に有益だった(と思える)活動もありました。ちょくちょく学校に足を運ことで学校の様子が分かるし、校長など先生方の考えを聞くことになるし。
で、「意味がある」と保護者が納得できるPTA活動にするために改革を行ったPTA会長と校長、お二人の共著。
頭が柔らかく、意欲的な両輪があったからこその改革で、レビュー欄には保護者・教師からの絶賛多数。出版して見本を示したことの意味は大きいと思います。
保護者が「こんなこと聞いていいのか?」と思うことや「こうしてくれれば合理的」と思うことを月例の運営委員会で取り上げ、学校が耳を貸す。学校運営に自分の意見が反映できることが分かれば、有休をとってでも参加する保護者が増える。アンケートで委員会活動を見直し、2回のポイント制にして都合をつけやすくするなど、現場ですぐに参考になる事例が載っています。

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『青年海外協力隊は何をもたらしたか』

岡部恭宜 編集、ミネルヴァ書房 (2018/5/15)
区内のボランティア施設で借りた。身近に青年海外協力隊員として海外に赴任した人が何人もいるので関心があり、でも高価な本なので、ここにあって良かった(*^^)v
分厚くて真面目な本なので、まとめるのが面倒で。返却が迫っているので、何とか(^^;


【内容】国民参加型ODAであり、国際協力機構(JICA)が実施している青年海外協力隊は、途上国向けの開発協力と、グローバル社会で活躍する日本人の育成という二つの目的で、1965年に発足。
50年を記念して、様々な学問的視点から、隊員への意識調査やインタビュー、参与観察や一次資料を使って、隊員の実際の活動と組織を総合的に分析。何年にも渡って、その役割意義を検証し、今後を展望したもの。
日本が手本としたアメリカの「ピースコー」やイギリスの「VSO(英国籍の若者を英国植民地から独立したばかりのアジア・アフリカ諸国に派遣する組織)」も紹介、比較もしている。


印象深いのは…
*隊員として活動することで、社会にある不平等や貧困問題、ジェンダー課題などに気づき、当事者性を獲得していく貴重な機会となっている
*地球規模で物事を考えながらローカルにアクションを起こす必要性
*忍耐強い仕事ぶりが「草の根外交官」としての高い評価をもたらしていること
*太平洋の島で暮らす人々が援助慣れしていて、高校生も「アメリカから援助が無くなっても日本がいる。それがだめなら、中国から」と言う。隊員の努力と意気込みが報われないことも少なくなく、技術指導の筈が、労働力として当てにされることもある。そして、「何とかなるさ」も「文化」ではある。 

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『酔うと化け物になる父がつらい』

男女平等センターの新刊コーナーで見つけて、借りました。
菊池 真理子 著、秋田書店 (2017/9/15)

タイトルに怖気付きましたが、絵がホンワカしているので最後まで読めました。
実録です。ネグレクトの家庭、アルコール依存症の父と何かの宗教信者の母。作者が中学生の時に母は自殺してしまい、姉妹で父親の面倒を見ざるを得なくなってしまう。

大人になっても、姉妹は家を出ず、父親の世話をし続ける。これは、共依存ですかね…。付き合う男は、デートDV。

週末ごとに来ては麻雀と酒を飲む「仲間」は、母の死後も決して姉妹を救うことは無く、かえって責める。
周囲の大人の無慈悲に絶望的になりました(泣)
※少しホッとするのは、父の死を看取って、心の整理ができていると思われること(父の死で、地獄から抜けられたとも言える)。

◎この作品の出版で、多くの人に「こういう家庭があることを知ってもらえる」、同様の家庭で育った読者が「自分の成育歴を客観視できる」
そういった効果があります。

地域の大人がまず気付いて、子どもをケアしていかなければ。そう思いました。 

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『情報生産者になる』

5月22日(水)

Photo_42 上野千鶴 著、筑摩書房 (2018/9/6)

 地域の男女平等センターの「新刊コーナー」で見つけて、借りました。
 目次に「研究計画書を書く」「論文を書く」などとあり、私にはお門違いか?とも思いましたが、何かしら得られるかもと(^^;

 

はい、その通りでした!
読みやすいし、特に下記のことについて「なるほど」で、今後の活動に活かせそうだと思いました。
*インタビューの方法 *対象者のサンプリング
*調査結果の宛先
*時間資源は希少:TEDの持ち時間だって、15分。45分でも結構な情報量が話せる
*質疑応答の用例

こういう指導を受けていた「上野ゼミ」の学生さん達が羨ましいけれど…肝の据わった学生じゃないと、怖くて避けるかも?

『子どもの脳を傷つける親たち』

友田 明美 著、NHK出版 (2017/8/8)
※ブログに写真が挿入できないので(ココログの障害だと思う)、リンクを付けておきます。

著者は、子どもの発達に関する臨床研究を30年近くつづけてきた小児精神科医。
新聞やNHKの番組で知り、地域の男女平等センターで借りて読んだ。

◎身体・精神的・性的虐待や面前での夫婦喧嘩等の「マルトリートメント(不適切な養育)」が、子どもの脳を「物理的」に傷つけ、学習欲の低下やうつ、統合失調症などの病を引き起こすことが明らかになった。添付された何枚もの脳の写真が、その悲惨な研究成果を証明している。

◎パニックを起こしたり、衝動性が高く、キレやすくて乱暴だったり非行に走る子の背景に「そういうことがあるのか」と、心当たりがあったりする。

◎愛着形成の重要性を説きつつ、予防や傷ついた脳を回復させる方法、脳が傷ついたまま親になっている場合の治療など、具体的な対策を紹介する。ケーススタディが豊富で、多くの人の参考になるだろう。

◎愛着障害:親に優しくされた経験が無く育つと、世話をしてくれる相手に警戒心を抱き、甘えたくても素直に表現できない。逆に、特定の相手に愛着を示す能力が低く、誰にでも過剰な愛情を求めるケースも、これだと。保護司や「子ども食堂」など、子どもと接する中で、こういう子に出会っているので、大変参考になった。

 

『お母さん!学校では防犯もSEXも避妊も教えてくれませんよ!』

3月12日(火)

Photo_5 地域の男女センターの新刊本コーナーで発見。
やたらと明るい表紙に惹かれて中をパラっと見たら、 「性教育は3~10歳で行うべし!」と。
5歳の孫の顔が目に浮かび、何か得るものがあるかと思い、借りてみました。

のじま なみ 著、おぐら なおみ (イラスト) 辰巳出版(2018/12/18 )

著者は、元泌尿器科看護師の性教育アドバイザー。
子どもを性犯罪の被害者にも加害者にもさせないための「家庭でできる性教育」を手ほどき。全国で講演会を開催している人気講師とのこと。

「性教育はメリットしかない!」「こんな時こそ!性教育」 具体的な実践例が書いてあって、カラッと明るい雰囲気で子どもへの愛情を示せる点がステキだと思います。
小さい子をもつ保護者の方におススメできる内容です!

かつて、子育てのために意識的に性教育について学びましたが、恥ずかしがって有耶無耶にしている家庭が多かった。教育指導要領に縛られて、驚くほど必要なことを教えない学校に頼れない日本では、保護者が「正しい知識は、子どもを守る」ことを理解する必要があるのです。

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