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『〈性〉なる家族』

6月17日(水)

信田 さよ子 著、春秋社 (2019/5/27)

男女平等センターが使えるようになったので、借りていた本を返して、新着コーナーで借りることができた。
体温を測られて、住所・電話番号・年齢までかかされた上でのこと💦

家族からの性虐待、DV、セックスレス、不妊治療、セクハラ。
いつものように、実際のカウンセリングから書かれたことだけに、深くて心が痛くなる。

*「DV」「虐待」:従来「当たり前」と夫や親が考えてきたことが、される側にとっては一方的な不条理。それを犯罪・暴力と再定義して生まれた言葉。

*性虐待は、加害者が父(兄、叔父、伯父、祖父など)であり、一度ではなく、何度も、長期的に行われる・・・安心できるはずの養育者による行為であることは、価値体系の根幹を揺るがす。精神科病院で働いていたころ、性虐待被害者の女性が多かった。そのようにしてしか混乱を生きられなかった。精神障害者として差別・偏見に晒されて、家族の世間体を守るために病院で生涯を終えた。

*「近親相姦」の「相」は、相互的、お互いに納得していることを表している。性虐待は、そうではない。「近親姦」である。

*痴漢・盗撮・露出などの性犯罪加害者は、家の外で子どもに性暴力を働く加害者同様、穏やかな男性がほとんど。欲求不満ではなく、妻に過失はない。

*性犯罪は衝やストレス発散から起きるのではない。成功体験の積み重ねにより強化され、さらなる快体験を得たいという欲望から、緻密に実現に向けて努力する。

*家族の中の力の弱い者を自分の思い通りにしてもいいという考え方は、家父長的信念ともいえる。だから、もっとも劣位に位置する女児は、優位にある男性に性的に支配される危険性が一番高い。

*DV先進国のカナダやアメリカでは、まず加害者を逮捕し、拘留・起訴・裁判を10日以内に終わらせて、重罪以外は加害者プログラムの受講が命令される(プログラム受講をもって刑罰に代替させる、ダーバージョンシステム)。日本では、未だにDVプログラムを公的に実施していない。

*性暴力やDVは、被害者の価値観や尊厳まで支配しつくすほどのインパクトをもっている。だから、被害者は知識で武装し、プライドを死守ししなければならない。加害者を嘲笑・軽蔑するためにも。

*戦時中、多くの日本軍兵士が戦地で精神を病み、帰国して入院していた。原因は、軍内部の私的暴力(リンチ・いじめ)のトラウマが多かった。ほぼ全員が精神科病院で人生を終えた。家族のもとに帰っても、妻子に対して苛烈な暴力をふるった。

*敗戦と同時に、カルテは全て廃棄するように国から命じられた。帝国陸軍兵士にあるまじき精神脆弱者として、なかったこととされた。「将来絶対、貴重な資料になる」と考えた数人の精神科医が密かに地中深く埋めて、残した。

*性虐待の被害者は、加害者・母親・専門家から否定・無視されてきた。臨床心理の世界では、フロイトの言う誘惑説(娘が父を誘惑した)を信じる者が多かった。

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