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『大量廃棄社会』

仲村和代, 藤田さつき 著、光文社 (2019/4/16)

国谷裕子さんと「SDGsプロジェクト」に取り組む朝日新聞の記者2人が、食品と衣料品の「大量廃棄」の現場とそれを減らす努力をしている店などを取材し、私たちに何ができるかを提示したもの。

◆アパレル業界
日本で供給されている衣料品の4枚に1枚は、新品のまま捨てられている!
有名ブランドでは、ブランド価値を守るために廃棄する。製造原価の割合が低いので、廃棄のロスが問題にならないのだ。
アパレル業界の問題は、 オーバーストア(過剰店舗)とオーバーサプライ(過剰供給)。シーズン中に値を下げて販売されることが常態となり、原価率の低下=品質の低下につながっている。メーカーから縫製業者に支払われる下請けの工賃が安くたたかれ、バングラデシュの縫子の時給は数十円。ファストファッション業界は、構造的に女性の低賃金労働で成り立っている。
リユース・リサイクルできるものもあるが…使える(売れる)ものと使えない(売れない)ものがあり、使えない(売れない)ものは、廃棄される。廃棄を前提にして「安く、大量に作るシステム」を見直すしかない。

◆食品業界
食品ロス(まだ食べられるのに捨てられている食料)が問題になっている昨今、今年も、節分で売り切れなかった大量の恵方巻が廃棄される場面がニュースになった。日本で1年間に発生する食品ロスは約646万トン、1人あたり、茶碗1敗のご飯を毎日捨てていることになる。
恵方巻きという「作られた伝統」は「クリスマスケーキ」同様、販売店・店員にノルマを課し、大量の食品廃棄を生み出している。大量廃棄を前提に大量に作る大きな要因は、「販売機会ロス」 。日々のオニギリ・サンドイッチ・弁当といった食品も同様で、販売機会を失うこと。
コンビニで言えば本部の利益が増す「コンビニ会計」、食品業界全体で言えば、必要以上に厳格な販売期限の見直しを促したい。
定期購入を主軸にして「働き方改革」をしたパン屋、規格外の食材を活かすフレンチレストランを取材したり、2011年に松本市から始まった3010(さんまるいちまる)運動(宴会の開始30分間と終わり30分間は席について料理を食べる)など、廃棄を減らすヒントも散りばめられている。
※フランスでは、2016年に世界初の「食品廃棄禁止法」が大型スーパーに対して施行され、売れ残った食品の廃棄は禁止されているし、2018年に全店で食べ残しの持ち帰りが義務化された。このような英断を手本にできる。
食品ロスの4割以上が家庭から出されていることも、忘れてはいけない。フードドライブ・フードバンクへの協力など、個人でできることも

◎私が仲間とやっている「子ども食堂」では、フードドライブを利用して、しばしば、食料品のご寄付をいただいている。全国的なネットワークを通じて「見本品だった」「型番が古い」「欠品がある」などで廃棄されていた炊飯器や食器などの寄付もある。これまで有料で捨てていたものが必要とされる場所で活かされる。3,700か所を超えた「子ども食堂」が廃棄を減らす一助にもなるのだ。

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