« ペルーのお土産 | トップページ | 鍵盤ハーモニカ »

『AI VS.教科書が読めない子どもたち』

9月21日(金)

Ai 書評で見て、関心があった本。地域の男女共同参画センターで借りて読んだ。

新井紀子著、東洋経済新報社、2018年2月15日発行

読み応えたっぷり。メモ書きするのも、時間がかかるわ

◎今の数学では、AI (コンピューター)は、計算機。基本的には四則演算しかできない。意味を理解できるのではなく、「あたかも意味を理解しているようなふり」をしている。 万個教えられてようやく一を学ぶ、応用が利かない、柔軟性がないことが弱点。決められた枠組みの計算処理しかできない。

◎ディープラーニングのような統計的なシステムでは、データに基づき過去のデータを分析して判断しているに過ぎない。過去の判断を踏襲するだけ。社会が歪んでいれば、その歪みを増幅してしまう(数学者に女性が少なければ、女性高校生に「数学者」という選択肢を推薦しない)

◎シンギュラリティ(人間の力を借りずに、自律的に、自分自身よりも能力の高いAIを作り出すことができるようになった地点)は、今の数学では不可能。

◎ホワイトカラーが担っている仕事の多くは、AIが肩代わりできる社会の到来を前に、AIが苦手とすることをやればいい。それは、柔軟に、人間らしく、意味を考えること。

◎AI開発の際に、協力してくれる中高校で25,000人を調査した結果、生徒の読解力が危機的なことが判明した。 授業も問題文も理解できない、普通免許や調理師などの国家試験が受からない、就職しても、安全マニュアルや仕様書が読めないケースが多くなっている。 今や、格差は高卒・大卒か、名のある大学を出たかではなく、教科書を読めるかどうか。 中学校を卒業するまでに、教科書を読めるようにすることが、緊急課題。読解能力と意欲さえあれば、大抵のことは自分で勉強できる。

◎大学受験をする子の上位20%の得点をとるところまで、ロボットは発達していきている。 超有名私立中高一貫校では、12歳の段階で読解能力のある生徒を入試で選んでいる。この子たちの指導は楽。教科書や問題集を「読めばわかる」から。

*中学校を卒業する段階で、約3割が表層的な読解もできない。半数以上がサイコロ並の正解率。
*学力中位の高校でも、半数以上が内容理解を要する読解はできない
*読解能力値は中学の間は向上するが、高校では向上しない
*通塾の有無と読書の好き嫌いは、読解能力値と無関係
*読解力をつけないまま、ドリルと暗記だけで偏差値50を超える大学に入学できる

◎著者は、この本の印税を原資として、中学生全員が教科書を読めるようにするための計画がある。

« ペルーのお土産 | トップページ | 鍵盤ハーモニカ »

」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 『AI VS.教科書が読めない子どもたち』:

« ペルーのお土産 | トップページ | 鍵盤ハーモニカ »

2019年7月
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31      
無料ブログはココログ