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『1984 フクシマに生まれて』

9月3日(水) cloud

1984
大野 更紗・開沼 博 著、講談社 (2014/2/14)

男女共同参画センターで借りた本。 1984年に福島で生まれた二人が、6人の職者と「3.11」「原発」「難病」「オウム」「筑紫 哲也」を切り口に語り合う鼎談。2人それぞれの見地もありで、なるほど…。1984年は、長男を産んだ年。ということは、息子と同じ年齢なのか coldsweats01

2人それぞれの見地もありで、なるほど…。

川口 有美子(日本ALS協会理事)
*尊厳死の法制化に賛成の人たちは、尊厳死を「権利」だと言っています…でも、「権利」はすぐに「義務」にすりかえられる…(86㌻)

駒崎 弘樹(認定NPO法人 フローレンス代表理事)
――病児保育の解決のために、ITベンチャーの社長を辞してNPOを起こした、社会企業家(社会の問題をビジネスによって解決することを目指す人。事業の成功による社会貢献を目的とする)。
*お金を儲けるためだけに働くことに違和感があった。…社会の役に立ちたいなと思った(107㌻)
*病児保育は…保育業界の中でも片隅で、「保育の闇」と言われていた領域(110㌻)
*「フローレンス」は事業としては黒字だが、社会のインフラを作るところに到達しないと。事業の基本的なモデルを作りながら、いかにそれを制度に跳ね返らせるか…ロビイングなど運動の出番もある。
*小規模保育は運動の結果、子ども・子育て支援法(「子どもを産み、育てやすい社会の創設」を目指して制定された)」で「小規模認可保育所」というシステムとして認められた(114㌻)。
これで、本格施行される2015年からは、誰でもどこでも、一定の基準さえ満たせば おうち保育園が作れるようになった…がんばれば目標に到達できるという成功体験は得られた(115㌻)
*今、子ども・子育て会議(子ども・子育て関連三法の施行に向けて、具体的な制度設計について話し合う会議)の委員をしていて…その様子をツイッターで勝手に実況中継している…リアルタイムで状況がわかる…市民型ロビイングの第一歩(129㌻)
*ロビイングの国・アメリカは利益型。圧力団体として有名な全米ライフル協会は、銃・武器メーカーから多額の援助を受け、銃規制に反対している(131㌻)
――地域の「子ども・子育て会議」の審議委員をしているので、身近な話題だった。

小鷹 昌明(神経内科医、東日本大震災を機に、大学病院を辞して南相馬市立総合病院に移籍)
*福島20年後の日本の姿…残っているのは、相対的に離れる余力が少ない人たち、それと、圧倒的に高齢者。つまり、弱者の集(159㌻)
*病院の中だけでは解決できない問題がたくさんある
*決して目立ちすぎてはいけない、自分が主役になってはいけない…そういう戒めが大事…私たちがいなくなったらまた元通りになるんだったら意味がない(176㌻)

森 達也(映画監督)
*集団化は副作用が強く弊害も多い。集団内で異物を、そして集団外で敵を見つけたくなる…9・11後のアメリカ、十字軍遠征にホロコーストに文革など(209㌻)
*日本人は集団化への相性がよすぎる…明治以降に顕著。富国強兵などの国策と集団化の衝動が合致した…オウムによる一連の事件によって、アクセルが踏まれた。
*日本人は組織共同体と相性がいい。組織に個が従属しやすい…個の論理としてのジャーナリズムが、組織の論理である市場原理にあっさりと回収されてしまっている…これがメディアとジャーナリズムにおける最大の問題(212㌻)
*3・11直後の都知事選では石原慎太郎が圧勝。大阪府知事選と市長選では維新の会と橋下徹が勝利し、2012年末の衆院選では自民党が圧勝…集団は号令を求める。強いリーダーが欲しくなる…こっちにくるのかと嘆息しました(229㌻)
*ドイツは憲法(基本法)改正の際に、国民投票を規定していない…自分たちのことを信じていないからだ…自分たちの意思でナチスを選択してしまったという過去があるから、自分たちに絶望している(235㌻)
*3・11の後、原発事故を経て、「日本は変わる」と多くの人が口にしていました…でも、あっという間に元に戻ってしまった(236㌻)

金冨 隆(TBSプロデューサー・ディレクター、筑紫哲也の薫陶を受けた)
*筑紫さんは「君臨すれども統治せず」をモットーとし、「なんでもあり、拒否権なし」を掲げた(302㌻)
*筑紫さんはよく「生存視聴率」という考え方の言及されていた(8%くらい)。視聴率は番組が存続できるだけあればいいということ。「NEWS23」では、高い視聴率を取れるからとセンセーショナルなもの、芸能スキャンダルのようなものはやらない。報道すべきことをきっちり報道し、良質と思われるものを紹介する(307~8㌻)

一方、茂木健一郎の発言には共感できなかった。
「原発って人間にはいろいろ迷惑をかけるけれど、自然には全然影響しない」「確かに放射能による染色体異常は植物でも起こるけれど、生き物ってしたたかだから、なんとか生きている。エコロジカルという観点からは、もしかしたら原発はいちばんエコロジーな発電方法なのかもしれない」「もともと緑だったところを開発してソーラーパネルを並べて発電するのは、僕にとっては自然破壊でしかない」(285㌻)

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