« 『頼れない国でどう生きようか』 | トップページ | ヨーヨー・マ チェロ・リサイタル »

『紫式部の欲望』

11月6日(火) rain

Photo

酒井 順子 著、集英社 (2011/4/26)

高校時代、秀才のクラスメートが、「 理想の男性は、光源氏 」 と言ったのに、大層驚いた。

身分もお金もあって、お気楽な生活。 若いうちから人妻に手を出し、父親の後妻と不倫して子をなしたり、彼女に似ている遠縁の幼女を強引に引き取って 好みの女性に教育するとか、もう・・・やりたい放題の男。
後に、親友の息子に後妻を寝取られたのも、因果応報だと感じた。 幼くして母親を亡くしたマザコンだから・・・、関わった女性は終生面倒をみる優しさ・・・とか、そういうことを差し引いても、全く素晴らしい男性には思えず、作品的にも、共感できなかった。

だから、優秀で行動的な同級生が、何を言うのかと思った訳よ wobbly

apple  「 したい、されたい、なりたい、ほしい、千年前に紫式部が考えていたこと 」 ・・・このキャッチコピーに意表をつかれて、読んでみた。
著者も若い頃、「 この男の人は、精神を少々病んでいるのではないか?」 と思ったそうだが、「 紫式部が、自身の秘めた 『 欲望 』 を、思い切り吐き出すために書いた物語ではないか 」 と、気付いたそうな。

嫉妬したい、プロデュースされたい、ブスを笑いたい、秘密をばらしたい、頭がいいと思われたい、待っていてほしい、都会に住みたい、モテ男を不幸にしたい、正妻に復讐したい、失脚させたい・・・

apple 当時の貴族の女性が求められたのは、ほどほどの教養。 一芸に秀でることなく、知識自慢などせずに 「 おっとり 」と 育つことが、よしとされていた。 秀でた才能と 「 たしなみ 」 を併せ持つ 紫式部は、ストレートな 清少納言を非難しつつ、実は、悶々としていた。
で、自分の欲望を作品に表したのだと。

私も日頃、頭がいいと思われたいという欲望に苛まれている。一しかない教養を、何とか10に見せる手はないかと、姑息な努力をしている 」 ( 58㌻ )
現代人は、これで普通。 平安時代の才女は、ジェンダーの縛りで、苦労したのねぇ despair

apple それと、当時は妻問婚。 ひたすら恋人や夫、愛人を待っていた訳で、自分から男性を訪ねては行けない。 身分も高くてハンサムと評判の男性が自分を訪ねてきて迫られたら、ラッキー! と、喜んだ女性も多かったのではないかというのも、頷けた。

『 源氏物語 』 がググッと身近に感じられるようになる、お薦め本 shine

« 『頼れない国でどう生きようか』 | トップページ | ヨーヨー・マ チェロ・リサイタル »

」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/1178763/47752190

この記事へのトラックバック一覧です: 『紫式部の欲望』:

« 『頼れない国でどう生きようか』 | トップページ | ヨーヨー・マ チェロ・リサイタル »

2017年4月
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30            
無料ブログはココログ