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『 弱者の居場所がない社会 ―貧困・格差と社会的包摂― 』

1月23日(月) cloud rain

Photo阿部 彩 著、講談社現代新書 (2011/12/16)

著者は、国立社会保障・人口問題研究所主任。 子どもの貧困や生活保護について著書のある研究者。

東日本大震災以降、格差問題や貧困問題がマスコミに取り上げられる機会が減ったとは、感じていた。 セーフティーネットの不在や若者・子どもの貧困問題は解決していないのに、被災地の悲惨さの陰に隠れてしまった感がある。 これは、大震災も踏まえて書かれている ( 2005年とか、ちょっと古い調査の数値が気になるけど )。

*ホームレスの実話が、特に胸に響いた。 人は、無償であっても、 「 役割 」 や 「 出番 」 があると、自尊心や誇りをもつことができる。 誰かに頼りにされることが、生きがいになる。

社会的排除とは、「 社会から追い出されること 」。 「 貧困 」 との違いは、お金のことだけではないということ。 例えば、会社を解雇されると、厚生年金や健康保険から脱落し、社宅から追い出される。 親戚や友人との交際費が出せないとか顔を合わせられないなど、人間関係にも支障が出てくる。

社会的包摂とは、は 「 社会に包み込むこと 」。 排除の真逆のことを指す。 生活を支援する制度を充実させること。

*格差が大きい社会ほど、殺人が多く、差別や人種・宗教間の偏見が大きく、信頼関係が薄くなることが実証されている。

*マタイ効果:もっている人は更に豊かになる = 格差は増長する。 金持ちは政治的に有利になるため、彼らに利益となる法律や仕組みが育っていく。

*食料が買えなかったことがある家庭や光熱費・電話料金が払えずに止められた家庭の多さに驚く。 3割の自己負担が払えないとか健康保険料が払えずに(この場合、10割負担となる)、病院にかかれない人も少なくないという。・・・生活保護を受けていれば、無料になるよね?

*OECD22か国の 60歳未満の人に調査したところ、「 友人・同僚・その他社会の人と一緒に過ごすことが殆どない 」 という人の割合は、日本がダントツ 1位で 15.3% ( 2005年の調査 )。 ・・・今は、孤立がもっと進んでいるだろうね。 お金だけじゃなくて、親身になってくれる家族や友人も財産のうち、大切だよね。

*筆者は、震災で最も大きな被害を被ったのは社会的弱者であり、 今後の復興の過程において更に格差が拡大する恐れが強いと言う。 ・・・そうかな? お金を貯めて家を新築したのに、自営の工場まで津波に流されて無一文になった人など、震災前は弱者ではなかったと思うけど。

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