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『女ぎらい―ニッポンのミソジニー 』

6月24日(金) sun

古本の値段が下がるのを待っていたのだが、全然・・・。 地域の男女共同参画センターで見つけたので、借りて読んだ。

Photo上野 千鶴子 著、紀伊國屋書店 (2010/10/6)

【 内容 】 ミソジニー とは、女性嫌悪女ぎらい。 男の 「 女ぎらい 」 と女の 「 生きづらさ 」 を解剖する。 わたしの中の〈 女 〉が嫌い、女好きの男は 実は女ぎらい。 男の 「 女性嫌悪 」 は、女にとっては 「 自己嫌悪 」 。 「 皇室 」 から 「 婚活 」「 負け犬 」「 DV 」「 モ テ」「 少年愛 」「 自傷 」「 援交 」「 東電OL 」「 秋葉原事件 」まで、上野千鶴子が 「 ミソジニ― 」 で解き明かす。

スゴイ・・・本、恐ろしいくらいに。 これまでの説を紹介したり、ヒットした書籍や話題になった事件などについての記述に、いちいち 「えっ、そうなの sign02

同性愛と少年愛、児童性虐待者を区分けしてもらって、スッキリした。 母と娘・父と娘のミソジニーの違いについても、納得。モテない男の甘えとか、女性からの 「 女性蔑視 」 の理由もわかった confident

*差別するには、3人の人間がいる。 差別とは、ある人を他者化することによって、それを共有するある人と同一化する行為である

*元来、正妻には 美貌と家事能力 ( 娼婦と女中の組み合わせ ) は不要だった。 家と家の盟約のかなめとして、家柄・家産・家政能力 があればよい。 子どもを産まなくても、養子縁組で調達してくればよかった

*かつて、甲斐性のある男は、正妻と妾・愛人を何人も囲い込んだ。 高度成長期になって初めて、殆ど100%の男に女がゆきわたるようになった。 「 ( 男のあいだでの ) 性の平等 」 は、ほんの一時期だけである。 この時期、女には 結婚せずに生きていく選択肢がなかった。 今は、結婚以外の選択肢がある。 婚姻率低下と離婚率の上昇が、その結果である

* モテないことを嘆く男が少なくないが、媚びへつらってまで婚活してきた女の長い歴史を考えれば、その状況に慣れていないだけ。 彼らが求める女像は、「 口数が少なくて、可愛くてひかえめで、日本的で、つつましい 」

*児童性虐待者は、「 なにをやっても、子どもなら大丈夫 」「 比較をしないから 」「 コントロールしやすい 」 などを理由にする。 自ら虐待された体験をもつ被害者で、自己評価の低い男が多い

*1889年、皇室典範が成立したとき、継承者を 男系男子に限ったことで、近代 「 天皇制 」 のミソジニーは確立した。 江戸時代までは女帝もいたので、男子優先を唱えて 「 伝統派 」 を名乗るのはおかしい

*「 女は関係を求め、男は所有を求める ・・・DV男も復縁殺人も、男の女性支配の欲求からきている。 女が殺される可能性の最も高い相手は、見知らぬ他人ではなく、夫や恋人だ 」

*「 現代では、息子ではなく 娘が母親の依存の対象となった・・・母は、自分の死後まで娘の人生を支配しようとする・・・母を好きになれない自分を、娘は好きになれない 」

*DV男は、「 バカでつまらない女 」 を結婚相手に選び ( 賢い女を選ぶ気など、端からない )、嘲弄し続けることで自己の優位をくりかえし確かめる。 だから、絶対に手放さない

*男に男同士の世界があるように、女にも女同士の世界がある。 女性の購買力が高まったことから、酒井順子などの 「 女子校文化 」 市場が成立するに至る。 女子校育ちは、共学文化と女子校文化とはコードが違うことを知っており、その落差を生きることを 生存のスキル だとみなしている

*男がよく言う 「 君を守る 」 は、囲いに閉じ込めて一生支配するという意味。 「 守る 」 べき外敵は、自分より力があるかもしれない他の男だったりする。 即ち、「 所有」 の言いかえ

*男が 「 男になった 」 ことを承認するのは、他の男たち。 女は 「 男になる 」 ための手段、証明。 他方、女を 「 女にする 」 のは男であり、証明するのも男

*イ・ビョンホン 「 自分よりお酒が強くて、言い負かされそうな女性は遠慮したい。女性は自分が守りたいから。 」

*ジェンダー同様、ミソジニーも、それが歴史的構築物だとわかったからといって、それから自由になれるわけではない。 あまりにも深く身体化され、欲望の核心にまで入り込んでいる

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