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『 黙祷の時間 Shweigeminute 』

Photo 1月31日(月) sun

ジークフリート・レンツ Siegfried Lenz 著、松永美穂 訳、新潮クレスト・ブックス (2010/8/31)

いい作品だった。 この本も、値下がりを待っていた。レンツの作品は、同じ 「 クレスト・ブックス 」 シリーズで 『 遺失物管理所 』 を読んでいる。

本作は、80歳を超えた巨匠が男子高校生の瑞々しい恋を描いたと評判で、ドイツでベストセラーになったそうだ。 妻に先立たれたこの老作家は、昨年、旧知の女性と84歳にして再婚したとかで、こういう作品を書ける感性は充分あると wink 

wave しかし、この表紙の主人公の絵には、ガッカリ sad 私の想像力を叩き壊すような・・・。 作品の舞台となった港町の絵、または 海の色だけの方が良かったと思う。

内容 】 水難事故で亡くなった 英語教師の追悼式が、ギムナジウムの講堂で行われている。 遺影は、美しく、生徒にも人気の英語教師 シュテラ のもの。 その中で、大きな悲しみを抱く高校生 クリスティアン は、彼女とのひと夏の愛を思い起こす。 タイトルは、追悼式で参列者が 「 黙祷する 」 場面からきている。

文章が自然で読みやすい。 が、追悼式が進む中、クリスティアン が思い出すままに 過去に戻って、シュテラ との時間が語られていくので、時々戸惑うことになる wobbly

ship レンツは 港町 ハンブルクに長く住んでいたそうで、船や海、浜辺、と 気持ちのよい描写が多い。 教師と教え子とが一線を越えてしまった場面も、実にサラリと描かれ、主人公の恋心や深い悲しみが静かに伝わってくる筆致だ weep しかしだ、シュテラ がもし存命であっても、教え子を恋人にして 一緒の学校にいられる筈もなく、他の町に転勤することを考えていたことを考えると、二人の恋が事故によって引き裂かれた訳ではないとも言える。

一息に最後まで読んだ後、部分的に読み返してもみた。 心を落ち着かせるような いい文章だし、主人公の心情に しんみり感動できる confident

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