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『 ハーモニー 』

1月11日(祝月) sun

Photo 伊藤 計劃 著、早川文庫 (2010/12/8)

この作品を最後に急逝した 『 虐殺器官 』 の著者が描く、ユートピアの臨界点。 日本SF大賞受賞作。 この装丁、シンプル過ぎてスゴイ wobbly 前作は黒一色だったっけ。

年末に読み出したのだが、HTML の多用と主要人物たる 仲良し少女 3人組の名前 ( 霧慧トァン、御冷ミァハ、零下堂キアン ) に違和感があり、1節で挫折して放ったらかしてあった coldsweats01 大掃除して料理して・・・ などという 現実的な年末という時期に合わなかったのだろう、今朝、続きを読んでみたら、あまりに面白くて、最後までぶっ続けで読んでしまった dash HTML もヘンテコな名前も、その世界に入り込んじゃう位 面白かったから、気にならなくなった wink 私は SFファンではないが、こういう作品は 大好きだ shine

内容 】アメリカでの暴動を発端として起きた 「 大災禍 」 と呼ばれる戦争の後、癌の多発に対応することをきっかけに、人類は、生命至上主義 を選択する。 大人になると WatchMe を身体に埋め込むことで、病気の予防・早期発見や怪我の治療が行われ、誰もが健康を保つことを 「 強制 」 されることになる。

身体を蝕む酒と煙草は生産禁止となり、暴力場面のある映画を見るのも困難な状況で、「 自分の身体を自分の手に取り戻したい 」 と願う少女 3人は、策謀を巡らして 密かに自殺を決行する。 主人公 トァン と 自殺を止めるために同調したフリをしていた( と、13年後に分かる ) キアン は、未遂に終わる。

13年後、世界中で同時刻に 自己意志ではない大量の自殺が起こり、生き残った主人公、トァン はその背後に、死んだ筈の ミァハ を感じる。 職務として事件の真相を追っていくうちに、研究者である父親、そして、死んだ筈の ミァハ に辿りつくのだった。

wine 多数の人命を失う混沌を教訓として人類が突き詰めたユートピアは、健康を至上主義とした極端な社会だったという設定が、まず面白い shine それを 「 振り子の振れ 」 とする科学者の説明に、納得できる。 生命至上主義 を嫌い WatchMe をちょっとだけ利用する砂漠の部族は、「 程々 」 ということができる意味で、最高にカッコいい flair WHOの職員たる主人公は、 WatchMe を騙す DummyMe をインストールして、彼らとの裏取引で手に入れたしてワインや葉巻を楽しむ。 ありそうで笑えて、共感した。 酒が禁止された社会なら、私は生き長らえたくないもの sweat01

そして、目の前で繰り広げられる自殺や殺人など、スリルも大いにあった。 ミァハの過去も衝撃的で、最後に示される タイトルの 「 ハーモニー 」 は・・・ 恐ろしい sad

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