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『 虐殺器官 』

8月10日(火)

Photo伊藤計劃 著、早川文庫 (2010/2/10)

実に面白かった  分厚くて 手を出すまでに時間がかかってしまったが、読み始めると 続きが知りたくて、2日で読みきった  SF ものはあまり読まないのだが、主人公に感情移入できたことと、「 9・11 」 や 核爆発、テロ、情報操作 と、現実味を帯びた設定がよかったかな

物語 】 「 9.11 」 に続いて、モスレム原理主義者が 手作り核爆弾でサラエボを消失させた後、 先進国が 「 テロを防ぐため 」 と称して、自国民にタグを付けて個人情報を徹底的に管理する 2020年頃の話。 市民は自由と引き換えに安全を手にいれた ( と 思い込まされている )が、その他の国では 次々と内戦や民族紛争で虐殺が起きる。

主人公は、米軍情報軍特殊部隊の大尉、クラヴィス。 各地で内戦や民族紛争を引き起こしている原因とされる ジョン・ポール を暗殺するよう命令されるが、失敗を重ねる。 たった一人の人間が、どのような手法でそんなことを引き起こせるのか? また、何故 いつも逃げられるのか? 映像が浮かんでくるような 近未来兵器による凄惨な殺戮の現場を 主人公と共に歩きながら 謎解きをしていくと、答えが見えてくる

ポール の恋人 ルツィア は、主人公に ポール を逮捕させて アメリカに連れ帰り、国と企業によって葬り去られようとした事実を 表舞台に出そうとするが、彼らは 上層部からの指令に従った 主人公の仲間に消されてしまう  そして、ポール から手渡された情報を元に、主人公が始めたことは、ルツィア の遺志を継ぐこと。 アメリカを 紛争の 「 火種 」 と言い切り、その利己的な振る舞いに 制裁を加えるなんざぁ、思いもよらない結末。 自身が身を置く母国に、だからね

かなりの知識がないと書けないような長編なので、情報収集に随分と時間がかかっただろうと思う。

著者は、元々、ウェブ・ディレクター。 昨年、癌の再発で急逝。 2001年に病床で知った 「 9.16 」 が、この作品の出発点になっているのだろう。 2007年に発表した本作を含め、執筆活動は、亡くなるまでの3年間に過ぎないという。

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