『 大奥 』 第6巻
8月30日(月)
ドラマチックな展開に、感動したわ
5代将軍 綱吉 は 中年を過ぎている。 娘には死なれるし、閉経して 子どもを産めなくなったことで 「 役目を果たせなかった 」 と絶望するが、( 元美男で ) いい中年になっている 大奥総取締の 右衛門佐 が 「 生きなさい 」 と、求愛する。 大奥って、将軍に子孫を作ることが目的の場所だけど、彼の愛で 綱吉が孤独感から脱して 父親からの呪縛を断ち切ることができる。 クールに見えた右衛門佐が 俄かに人間くさくなって引き込まれたわ~
そして、綱吉の死に際に 後台所 ( 夫 ) が 首を絞めに来たり、側用人吉保が 濡れ布巾を顔に被せて ( 殺害するつもり ) 抱きつきながら 「 あなたを もう 誰にも渡さない 」 と 愛を告白したりと、仰天するような臨終シーン どちらも、美貌で聡明な 綱吉を愛する余りのこと。 モテ過ぎるって、災難だわね
そして、次の将軍、家宣へと話は移り、側室となった 左京 と 側用人 間部詮房 との三角関係も面白い。 将軍の死に絶望し、殉死しようとする間部を 「 世継ぎの千代姫を守らねば 」 と励ましながら ドサクサに紛れて抱きしめてしまう場面で終わる。 主を思う主従愛と男女の愛がこんがらがって・・・この後、どうなるんだろう?
→ って、これ、第 1巻に繋がるんだけどね ( 忘れてて、読み返した ) 7代将軍 家継 となった少女 千代姫は 僅か4年後に亡くなり、側用人 間部は 吉宗に 解雇されているのよね
空しいもんだわ・・・。
*異性愛や同性愛はもちろんのこと、師弟愛に近親相姦までも、何でもサラリと描いてしまえるのって、著者の力だわね~
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