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『33個めの石 ~傷ついた現代のための哲学~』

5月28日(木) rain

33森岡正博 著、 春秋社 (2009/2/17)

--- 2007年、米国 バージニア工科大学 で、銃乱射事件が起きた。 キャンパスには犠牲者を悼む 32個の石 が置かれたが、人知れず石を加えた学生がいた。 33個めの石。 それは 自殺した犯人の追悼である。 石は だれかに持ち去られた。 学生はふたたび石を置いた。 それもまた、持ち去られた。 すると、別のだれかが新しい石を置いた。 ---

このキャッチに 強く惹かれて、読んでみた。 33個めの石 を置いた学生は、犯人である学生の姉が TVで 苦しい胸のうちを語ったのをうけて、「犯人の家族も、同じくらい深く苦しんでいる」と。

その後、大学が正式に作った墓石は、32個。 大学という組織の判断だ。 ただ、33個目の石 が、「やられたらやり返す」という 報復の連鎖 を超越していくことに、著者は希望を見出す。

一方、2005年に日本で起きた JR福知山線の脱線事故。 1周年、2周年の追悼慰霊式では、亡くなった運転手は対象とされたなかった。 会社が行った 遺族へのアンケートで、それを望まない数が多かったからだそうだ。 バージニア工科大学 とは違って、殺人を犯そうと意図しなかったのに・・・。

「追悼されるとは、故人の人生はかけがえのないものであり、その生と死には意味があった と、人々から承認されることである。」「死者となった運転士をも追悼する社会に変わってほしい」と、著者は願う。

私も、そう思う confident

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