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『イギリス「教育改革」の教訓 ― 「教育の市場化」は子どものためにならない』

4月29日(水・祝) sun

Photo阿部菜穂子 著、岩波ブックレット NO. 698、 (2007/04)

イギリスに住み、自身の子どもが通う学校現場を見ているジャーナリストの著者が、更に取材して書いたもの。

日本の 統一学力テスト がイギリスのサッチャー政権下の教育政策をモデルにしていること、イギリスでは既に様々な問題が出て批判され、改良を迫られている。 副題にあるように、 「教育の市場化は 子どものためにならない」というのが、結論。

*全国トップの成績を収めた学校(11歳児全員が、政府の規定する14歳児の学力水準に達する)の校長:「トップになったのは 政府指導をいっさい無視した授業をしているからです」、政府が課した授業計画は「子どもの関心、興味を無視した愚作」であり、「教師の独創性を殺」し、「画一的な教え方しかできない”クローン教師”を育てるだけ」

*テストの実施は 一人ひとりの子どもの教育のためでなく、学校の評価を向上させるための道具と化した。

*多くの学校で テスト科目に偏った。

pencil 市場原理に替わるものとして 著者が挙げているのが、学力世界一との評価を得ている フィンランド・モデル --- 民族、性別、経済状態にかかわらず、すべての子どもに対し平等に質の高い教育の機会を与える」という 教育哲学

pencil 著者が取材した ロシアやエストニア・タイ・アフガニスタンなどからの移民が児童の1/4を占める学校でも、言葉や学の面で児童全員への支援が行き届いていたという。 このような教育体制は、40年かけて、こつこつ整備された。

pencil フィンランドには、統一学力テスト はない。 教育水準を知り、教育の向上に役立てる目的で 抽出方式の学力調査は行われるが、結果は公表されない。国家教育参事官: 「テスト結果を公表して学校や地域をランクづけすれば、問題を生むだけです」「学校は 商品ではありません」

統一学力テストという政策についての背景や先行き、政策転換して向かうべき方向性が解る内容だった。 が、このシリーズって、本当に 味も素っ気もないね catface  新聞の特集シリーズ を 続けて読んでるみたいで、読み続けるのに忍耐力が要るの。 安くて薄い割には、疲れるシリーズよ。 もっと広い読者層を得たり、途中、読み飛ばしたくなる気にさせない努力や工夫 ― ページ割り、カット、口調とか ― を お願いしたいわ。 内容はいいんだから sweat01 

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