1月25日(水) 
講師:湯浅 誠さん(内閣府参与)
大変分かり易いお話だった。 著作も分かり易かったが、資料を示しながら、誰にでもわかるように話せるのが、更に凄いと思った。
◆国の構造問題―結婚と出産の現状―
*1980年から、未婚率が急上昇している。 男性20代の3/4、30代前半の半分は未婚
*50歳の未婚率は「生涯未婚率」と呼ばれるが、彼らは単身高齢者予備軍となる
*40~50代で親と同居する単身者は、200万人。そのうち2/3は男性で、失業率が20% 。 親の年金が生活費だという人も含まれる。 彼らは親の介護の担い手でもある
*未婚者の9割は男女共、結婚の意思はある。 しない(できない)背景には、雇用問題がある
*東京の未婚女性に「結婚したい男性の年収」を聞くと、「400万円」と答えたというが、、残業代を入れて所得が400万円以上になる男性は、半分しかいず、その半分は既婚者。 「400万円」の根拠:女性は、子育て中は「無収入」で再就職者の9割はパートとなり、「低収入」。 「無収入」か「低収入」の妻と子どもと暮らすには、夫は年収400万円位が必要ということ
*人口構成:2050年には、生産年齢(15~64歳)対65歳以上が、1.3対1となる予想。 「騎馬戦から肩車へ」と呼ばれている。このままだと、国家が破綻する
*持続可能な社会にするには、結婚したい人(9割)が望む子ども(2人)をもてるようにすれば、いい
*ヨーロッパ型の育児支援:社会保障の面で嫡出子と非嫡出子の区別をしない、育児休業中の給与の多くを両親に保障する。 こういうことで、出産が増えるだろう
*単身世帯は今、31%位になっている。 夫婦と子どもの世帯は4割から28%に減っていて、その4割は親と成人した子どもの世帯
◆3つの傘 ―正規と非正規雇用―
*国⇒企業⇒正社員⇒家族(高齢者・妻・子ども)という3つの傘は、日本型社会保障。 この仕組みの問題・・・①男性正社員だけが傘の中にいて、彼らは超長時間労働や単身赴任・配置転換を拒否できない(過労死の危険性) ②主婦パートと学生アルバイトは「お小遣い賃金」でいいと、最低賃金に抑えられた。 これでは、生活できない
*子ども時代は父親に、就職後は会社に面倒をみてもらえばいいと、国の社会保障は定年退職後の高齢者のみカバーしてきた(低負担で低福祉)。 「教育も家庭でやってくれ」と、国は教育にお金を使ってこなかった
*90年代半ば以降、男性の非正規雇用が増加したために「ワーキングプア」が問題となったが、母子家庭や日雇い労働者は元からワーキングプアだった
*1975年から傘はしぼみかけたが、赤字国債で維持してきた
*日本では、相対的貧困ラインを下回る現役世帯(世帯主が18~65歳)が少なくない。 働いているのに、貧困だという不思議。
*日本は、失業率の割に子どの貧困率が高い。母子家庭の84~85%が就業しているというのは、先進国で最高
*子どもの数が減少している中で、貧困で十分な教育を受けられない子どもが多いのは、国家的損失
*傘の外の人は、中の人と同じだけ努力しても中の人と同じ結果にならない。 傘の中と外をなくすには、中に使っていたお金を外にも回す必要があるという、社会的合意をつくる
*今が4~5mの断崖絶壁だとすると、それを階段10個程度にするには、職業訓練や勤務時間の短い正社員(ヨーロッパ型の中間的雇用)を増やす
*地域で私達ができることは、ソーシャルアクション。 必要なものを自分達で作る
<質疑応答から>・・・友達がやっていたのを見に行ったのが、活動のきっかけ。 渋谷にはよく行っていたが、100人ものホームレスが初めて視界に入った *若者の就職難については、長期的には、新卒一括採用システムを変える。 1世代30年位かかるだろう。 短期的には、就職支援。自治体が雇って研修させて再チャレンジさせる *日本では、社員全員が正規雇用だったことはない。 日本の非正規の問題は、暮らせないこと。 社会保障と労働条件の両方で対応するためには、ねじれ国会を選挙で正さないと、法案が通らない。
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